オノオレカンバの魅力


オノオレカンバ(Ono-ore-kanba)  斧折樺

Betula schmidtii Regel
名称
〔日〕オノオレカンバ 〔中〕遼東樺 〔英〕 (属)Birch 〔独〕 (属)Birke
分布
北海道・本州・朝鮮・中国東北・ウスリー
樹木
落葉高木、高さ15m、胸高直径60cmに達する。葉は卵~卵状楕円形、有柄有毛、用材樹
木材
重厚な散孔材。心材は赤褐色、辺材は淡黄褐色(原色図)、両材の区別は明瞭。肌目は緻密
・道管の管孔はやや大きく多数存在しているが、中には数個が半径方向に接合してあらわれるものもある。柔細胞は年輪界のものは顕著であるが、その他に接線状の細胞としても木口面にみられる。放射組織の断面は板目面で認められる程度のものであるが、柾目面には顕著にあらわれる。
・気乾比重 0.94、絶乾比重 0.91 内外で重い。狂いは割に少ない。
曲げ弾性係数17.2×104 kg/cm2、圧縮強さ 720kg/cm2、曲げ強さ 1070kg/cm2 内外で強くかつ硬い材。
・樹皮の色は黒褐・灰褐・暗灰・褐暗色。亀甲状の割れ目ができる。若木では平滑、紅褐色、横長の皮目が多い。
・材は施作に適し、器具(軸や柄類・木型類・橇・台類・ブラシ木地・木魚・算盤枠・ステッキ・細工物)、建築(洋風建築造作・土台・敷居)、家具(洋家具)、船舶(櫂)、車両(車軸・彫刻、薪炭などに、樹皮は壁下地などに用いる。
 オノオレカンバは、標高500M以上の山肌に根を張り、1ミリ幹が太くなるのに3年かかるという非常に堅い木です。この堅さゆえ、斧折れ(おのおれ)の名があります。
 オノオレカンバは、自然林の中でも数が少なく、また成長が遅いため、植林もほとんどされず、貴重な木の一つとされています。
 昔は馬そりなどに。今日では、珠算玉や楽器(木琴)などに用いられています。
堅い木だからこそ曲線が多く、しかも、シャープなデザインが可能になりました。
やわらかなフォルム、手になじむ質感、そして使い込むほどに深まる色合い…。
美しさと、実用性を兼ねる小物たちは、私達の暮らしをさりげなく豊かに演出してくれます。