素材とデザインの関係を考えたとき、 我々の工房では先に素材ありきでした。 試行錯誤の末に、使い勝手や機能美の 実現のためにデザインを学びました。 そのデザインを最大限に生かしてくれ たのが、この素材「オノオレカンバ= 斧折樺」でした。他の素材を使って みると、オノオレカンバの特徴がよく 判ります。加工するには堅すぎて効率 が悪いのですがほかの材にはない多く の長所をもち、わが工房のテイストに なっています。この材への特別なこだ わりはなくなりませんが、ほかの材の よさを生かしたアイテムも少しずつ提 案しているところです。今まで培って きたデザインとモノ作りにウェイトを 置き、素材も石、ガラス、鉄、布、皮 などを取り入れていきたいと考えてい ます。天然の素材を生かした快適な 生活用品を提供できれば、作り手として これ以上幸せなことはありません。
有限会社 プラム工芸 代表 込山 裕司